中国故事成語 10 「有終の美を飾る」
中国語・中国文化

こんにちは、北京語言大学東京校です。
今回は「有終の美を飾る」という言葉についてご紹介します。
いかにも日本語のような言葉ですが、これも中国語からきています。しかも相当に古く、周の時代の終わり、ということは紀元前700年くらい…
紀元前1046年、殷(商)の時代が終わり、周の時代になりました。最初のうちは治世よくとてもよかったのですが、時代がたつにつれ、その治世は乱れていきました。そのことを嘆いて歌った詩歌があり、「詩経」に収められています。
荡荡上帝,下民之辟。疾威上帝,其命多辟。天生烝民,其命匪谌。靡不有初,鲜克有终
果てしなく広大で偉大な上帝は、本来、民を守り導く存在である。
しかし、その威光はあまりにも強く、意思も移ろいやすく、
天帝から下される「天命」や運命は、しばしば変わってしまう。
天は多くの人々を世に送り出すが、
その行く末や幸せは、決して確かなものではない。
世の中のあらゆることは、誰もが良い形で始めるものだ。
だが最後までやり遂げ、立派に終わる者は、本当に稀なのである。
この詩歌の最後のフレーズ「鮮克有終」が「有終の美」の元になった言葉で、その言葉が日本に伝わって「有終の美を飾る=最後に良い成績を残す、華々しい活躍でしめる」という意味で使われるようになりました。
しかし、中国語のほうでは、「有終の美を飾る」という意味で使われる言葉にならず、この詩歌の最後の部分の意味である「首尾一貫して最後までやりとげる」という意味の言葉に、「善始善終」があります
他做事总是善始善终,所以大家很信任他。
(彼は物事を最初から最後まできちんとやるので、みんな彼を信頼しています。)
言葉の発展は、日本語と中国語で異なることがあるのですね。
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