中国世界遺産巡り35 開平の楼閣と村落
中国語・中国文化

こんにちは、北京語言大学東京校です。
今回は広東省にある世界遺産、「開平の楼閣と村落」についてご紹介します。
中国南部のごく普通の農村に……
広東省の開平には、一見すると普通の農村風景が広がっています。しかし村に入ると、「ここは本当に中国なのだろうか?」と思うような、少し不思議な景色が現れます。
古代ギリシャや古代ローマ、ゴシック様式、ビザンチン様式、イスラム様式、バロック様式など、さまざまな建築様式を取り入れた塔のような建物が点在しています。田んぼや林の緑の中に、西洋風の建築が並ぶ光景は独特で、美しいコントラストを生み出しています。
誰が建てたの?
こうした建物を建てたのは、海外へ渡った中国人たちでした。かつて戦乱や社会の混乱によって中国南部の生活は厳しくなり、多くの農民がアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアなどへと移住しました。
彼らは外国人労働者として働き、とくにアメリカでは鉱山開発や大陸横断鉄道の建設などに従事し、現地の発展に大きく貢献しました。その中で財を築いた人も多くいました。
しかしその後、中国人排斥の動きが強まり、多くの人々が故郷へ戻ることになります。海外で西洋の文化や建築に触れた彼らは、帰国後にその影響を取り入れた独特の建物を建てました。
窓が多ければ多いほど金持ち?
海外から帰った人々は財産を持っていたため、盗賊に狙われることも少なくありませんでした。そのため、襲撃を受けても立てこもって防御できるような堅固な建物が必要とされました。こうして生まれたのが、防御機能を備えた高い塔状の建物「楼閣(ろうかく)」です。
また、窓の多さは裕福さの象徴でもありました。窓が多いということは、それだけ外から攻められやすいということでもあります。つまり、それを守るための警備員を多く雇えるほどの財力があるという意味になるのです。少し不思議な発想ですが、当時の人々にとっては富を示す一つの表現だったのかもしれません。
まとめ
開平の楼閣と村落は、中国の農村に西洋建築の影響が融合した、世界でも珍しい景観を持つ文化遺産です。海外へ渡った人々の歴史や、時代の変化が建築として残されている点でも、とても興味深い場所といえるでしょう。
この記事は広東省にある世界遺産、「開平の楼閣と村落」についてのご紹介でした。
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