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中国世界遺産巡り55 中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群

中国語・中国文化


こんにちは、北京語言大学東京校です。
今回は江蘇省の世界遺産、中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群についてご紹介します。



最大の干潟
この地域には、世界でも最大級といわれる広大な干潟が広がっています。

潮の満ち引きによって海水が引くと広い干潟が現れ、そこには貝や小さな生き物が多く生息します。こうした生き物は渡り鳥にとって重要な食料となるため、この場所は渡り鳥たちの大切な休息地となっています。

ここは、東アジアからオーストラリアへと続く渡り鳥のルート「東アジア・オーストラリアフライウェイ」の重要な中継地です。鳥たちはここで羽を休めたり、羽を生え替える「換羽」を行ったり、越冬や繁殖の準備をしたりします。

こうした渡り鳥にとって欠かせない生態系が評価され、この地域は世界遺産に登録されました。



二段階登録
実は、この世界遺産は最初から広い範囲が登録されたわけではありません。

当初は、江蘇省塩城市にある「塩城自然保護区」の一部だけが登録されました。南部と北部の区域では十分な保護が行われていない状況があり、開発による自然破壊を防ぐため、世界遺産として緊急的に登録されたのです。

通常、世界遺産はまず検討リストに掲載され、その後審査を経て登録されます。しかしこの地域では、干潟の減少が急速に進んでいたため、時間をかける余裕がありませんでした。

その後、保護区域は拡大され、2024年にはさらに追加登録が行われました。こうして保護される範囲は少しずつ広がっています。



絶滅危惧種ヘラシギ
この干潟には多くの渡り鳥が集まりますが、その中でも特に注目されているのがヘラシギです。

ヘラシギは、くちばしがヘラのような形をしている小さなシギの仲間で、世界でも個体数が非常に少ない絶滅危惧種です。研究によっては、このままでは5〜10年以内に絶滅する可能性もあるといわれています。

干潟が世界遺産に登録されたことで生息環境の保護が進み、個体数が回復していくことが期待されていますが、現在もヘラシギはレッドリストに掲載されたままです。

同じく世界遺産に登録されながらも繁殖が難しい動物としてパンダが知られていますが、こうした絶滅危惧種を守ろうとする取り組みは、中国だけでなく世界中で広がっています。



まとめ
中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群は、世界最大級の干潟を持ち、多くの渡り鳥にとって欠かせない重要な生息地です。

開発による自然破壊の危機をきっかけに世界遺産として登録され、現在も保護区域の拡大が続いています。

ヘラシギのような絶滅危惧種を守るためにも、この干潟の環境を未来へと残していくことが大切とされています。



この記事は江蘇省の世界遺産、中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群についてのご紹介でした。



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