中国世界遺産巡り49 湖北神農架
中国語・中国文化

こんにちは、北京語言大学東京校です。
今回は湖北省の世界遺産、神農架林区についてご紹介します。
内蔵まる見え
神農架林区は、中国の古代神話に登場する神農に由来する地名です。神農は医学や農業を司る神として信仰されており、薬草を探すためにこの地を訪れたと伝えられています。
伝説によると、神農の体は頭と手足以外が透明で、内臓が外から見える姿をしていたといわれています。そのため、食べた草が体の中でどのように作用するかを観察し、薬草の効能を見極めることができたとされています。
しかし神農は、多くの薬草を試すうちに毒草を食べすぎてしまい、最後には命を落としてしまったとも伝えられています。
なお、この地域は中国で唯一「林区」として指定されており、広大な森林地帯を国が直接管理しています。
孫悟空のモデル
神農架は、美しい山々に囲まれた豊かな自然が残る地域です。標高差が大きいため、亜熱帯から寒帯までさまざまな植生が見られることでも知られています。
また、多くの希少な野生動物が生息する場所でもあります。孫悟空のモデルになったともいわれるキンシコウをはじめ、チュウゴクオオサンショウウオやウンピョウなど、多くの固有種や絶滅危惧種が暮らしています。
このような豊かな生態系が評価され、神農架林区は世界自然遺産に登録されました。
野人伝説
神農架と聞いて、中国の人々がまず思い浮かべるのが「野人」の存在です。
野人とは、直立歩行する人間に近い大型霊長類のような未確認動物(UMA)とされ、20世紀初頭からこの地域での目撃情報が数多く報告されてきました。
あまりにも報告が多かったため、中国科学院によって大規模な学術調査が2度も行われました。しかし最終的に野人の存在を確認することはできませんでした。
それでも、この謎めいた伝説が神農架の魅力の一つであることは間違いありません。もしかしたら、まだ知られていない秘密がこの森のどこかに隠れているのかもしれません。
まとめ
神農架林区は、中国神話に登場する神農の伝説が残る神秘的な場所であり、豊かな森林と多様な生態系を持つ世界自然遺産です。
キンシコウなどの貴重な野生動物が生息する自然の宝庫であると同時に、野人伝説のような不思議な物語も語り継がれています。
神話、自然、そしてロマンが重なり合う神農架林区は、中国でも特に神秘的な地域の一つといえるでしょう。
この記事は湖北省の世界遺産、神農架林区についてのご紹介でした。
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